【シンガポール詐欺】 被害額約7000ドル(約80万円)から学んだ3分で防げる詐欺対策
クレジットカード詐欺は、日本でもシンガポールでも確実に増えています。
ニュースとしての情報で知っていたとしてもどこか「他人事」と思っていましたが、ある日突然“被害者”になってしまいました。 被害額はおよそ 7,000ドル(約80万円)。
人並みのお給料をもらって生活している人からするとかなり大きな痛手でした。この経験をきっかけに、クレジットカード詐欺の怖さと、ほんの少しの対策で被害を防ぐまたは、最小限にできる「防止策」を学びました。
今回は実際に体験した詐欺被害の経緯と、すぐ実践できる対策をご紹介します。
急増するクレジットカード詐欺
シンガポールでは、2024年の詐欺被害総額が 約11億米ドル(約1.1ビリオンドル) に上りました。
報告件数は5万件を超え、クレジットカードやモバイルウォレットを使った不正取引も増えています。
日本でも同年、クレジットカードの不正利用による被害額が 約55.5億円 に達しました。
特殊詐欺を含めた被害総額は 約718億円。キャッシュレス社会の裏で、被害もまた増加しています。
どちらの国でもクレジットカードを使った詐欺が増えているので、特定の場所や職業、年齢の方が狙われるというよりもクレジットカードを持っている時点でクレジットカード詐欺に合う可能性・リスクを秘めていると思っていて良いかと思っています。
私が経験した7000ドルのクレジットカード詐欺
平日の夜、テレビを観ながらスマホを触っていたとき、突然800ドルのクレジットカード利用のSMSが届きました。クレジットカード利用のSMSは通常クレジットカード決済をするとすぐに連絡がくるので、覚えのないカード利用に首をかしげていました。そんな中、立て続けに2500ドル、3500ドルとクレジットカード利用のSMSが届きました。
わずか1分間に立て続けに身に覚えのない高額のクレジットカード決済が行われ、すぐにカード会社に電話をかけ、利用を停止してもらいました。電話のオペレーターと話すまで、高額のクレジットカード利用は間違えて通知されたのではないかとも思っていましたが、残念ながら約7,000ドル の決済が私のクレジットカードで完了していました。
後からオペレーターの方から教えてもらったのは前日からすでに20ドル・50ドル・80ドルといった少額の決済が行われており、 最初の“テスト取引”を見逃していたことが分かりました。
最終的にはカード会社の調査で詐欺と確認され、全額キャンセル されましたが、
結果が出るまでの2週間は、不安で眠れない夜が続きました。
情報流出の経緯と、完全に防げない現実
カード会社のオペレーターによると、 私のケースでは「カード番号をランダムに入力して偶然一致した可能性がある」とのことでした。
つまり、特定の店舗やサイトで情報が漏れたのではなく、 “誰でも被害に遭う可能性がある”ということです。
この経験を通じて痛感したのは、クレジットカード詐欺は完全には防げないという現実。
だからこそ、「早く気づく」「被害を最小限に抑える」ための仕組みを作ることが重要であるということに気づきました。
少額の不正利用こそが危険のサイン
詐欺の多くは、最初に少額の決済を行い、 「このカードが使えるか」を試してから高額に移行するようです。 私の場合も同じパターンでした。
高額のクレジットカード詐欺以外にも過去にカナダや香港でそれぞれ50ドルほどの不正決済がありましたが、この時はすぐに気づいてカード会社に電話し、数分で不正利用のキャンセル対応をしてもらえました。私の件が特別ではなく、私の同僚や友人の話では、彼らが詐欺被害にあった際、100ドル以下の少額被害 は不正利用された連絡をした電話で処理されたと言っていたので、少額の不正利用のキャンセルはストレスが少ないと感じました。
“少額の不正利用”は、詐欺の始まりのサインなので、「小さい額」であってもクレジットカードの利用を止めて、クレジットカード会社に詐欺であることを伝えることが大切です。少額であれば、精神的なストレスも少ないです。
被害を最小限に抑えるためのすぐできる対策
① クレジットカード利用通知をONにする
多くのカードはデフォルトで通知設定がありますが、無効になっている場合もあります。
アプリ・オンラインバンキングで「利用通知(アラート)」を必ず有効にしましょう。
② 通知金額を「1ドル」に設定する
初期設定では「100ドル以上場合によっては500ドル」で通知されるケースが多く、
これでは残念ながら小さな不正決済に気づけません。
1ドルから通知されるように変更しておくと、異常な動きをすぐ察知できます。
設定方法の一例:
- DBS銀行:DBS Notification Alerts設定
- OCBC銀行:OCBCカードeアラート設定
③ OTP(ワンタイムパスワード)を必須にする
私が被害を免れた1件は、この設定をしていたカードでした。番号を盗まれても、本人確認が通らなければ決済されません。アプリや銀行サイトから「二段階認証」設定を確認しておきましょう。
もし被害に遭ってしまったら
万が一、不正利用に気づいたら焦らず以下の順で動きましょう。
- すぐにカード会社へ電話し、カードを停止する。
- 過去数日の明細を確認し、少額決済も報告し、キャンセルをしてもらう。
- 詐欺被害額がキャンセルされるまで、支払いをしない。
- 新しいカードを発行してもらい、古いカードは使わない。
私の場合は2週間ほどで「詐欺と確認」され、全額キャンセルされ、支払わなくて良かったですが、もしキャンセルされなかったらと思うと、もっと早くにちゃんと設定、通知が来るようにしていたら良かったと悔やむと思います。
まとめ:3分の見直しが、数千ドルを守る
クレジットカード詐欺は、誰にでも起こり得る時代の“生活リスク”です。
完全に避けることはできませんが、「すぐ気づく」仕組みを持つだけで結果は大きく違います。
- 通知設定をオンにする
- 通知金額を「1ドル」に設定する
- OTPを有効にする
たった3分で済む設定が、あなたの大切なお金と時間を守ってくれます。