【シンガポール転職・働く女性】ライフステージ(結婚・出産)に左右されない理想のキャリアが築ける3つの理由

  
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【シンガポール転職・働く女性】ライフステージ(結婚・出産)に左右されない...

シンガポール現地採用転職の場合、駐在員と違い自分のキャリアを自分で選択できる自由があります。どの企業で何年働くのか、業界や業種を超えてキャリアを築いたりなど、選択肢を持つことが出来ます。

シンガポールでの転職が叶った場合、できる限り長くご自身が満足できるタイミングまで働くことを望むと思います。しかし女性の場合、日本では就業を継続したくても結婚や出産などのライフステージの変化に伴い、就業をすることが叶わなかったり、就業を続けても精神的・体力的に難しさがあったりなどで働くことを諦めたり、一時中断をする選択をすることもあります。

もしシンガポール転職が叶っても、転職後にライフステージが変化してしまったことで、「就業が継続できなくなってしまったらもったいない・・・。」「今までの努力が無駄になるかもしれない・・・。」と思われるかもしれません。

そんな海外転職を考える女性のために、今回はシンガポールでの女性の働きやすさやライフステージの変化のタイミングでのキャリアについてお伝えしたいと思います。

日本とシンガポールの労働力参加率と管理職に占める女性割合の比較

日本とシンガポールの女性の労働力参加率は以下です。

日本とシンガポールでは世界順位に25位の差があり、シンガポールの女性の労働力参加率が約8%高いです。

この数字を見ると日本とシンガポールでさほど大きな違いがあるように見せません。

労働力参加率(15歳以上で経済活動に参加している女性の割合)

・シンガポール:61.63%(世界36位/178カ国)
日本:53.54%(世界61位/178カ国)

しかし、管理職に占める女性の割合は大きく違います。

シンガポールの女性のシニアリーダーシップ比率は約33%で、ASEANおよび世界平均を上回る水準です。プロフェッショナル、マネジメント等の業務職では、46.7%が女性であり、こちらも高水準です。

日本の場合、企業全体の管理職に占める女性の割合は10.9%(2024年)で初めて10%超になりましたが、依然として低水準です。上場企業の女性幹部(エグゼクティブ)比率は16.2%(2024年)で、2020年代末に30%を目標としていますが実現には程遠い状況です。 

シンガポールは女性の管理職比率において日本より明らかに進んでおり、柔軟な働き方や女性がキャリアを築き上げる文化があります。一方で日本は政府目標や制度は整備中ですが、企業文化や性別役割意識が根強く、現場では女性の中途復職や昇進が遅れている現状です。

シンガポールで4年就業してみて感じたことは、20代後半から30代の女性の多くが働いており、結婚や出産をきっかけに仕事を辞める人は私の周りには一切いなかったです。共働きで働くことが当たり前であり、共働きを継続するための取り組みをご夫婦で決めていらっしゃる方も多くいました。

特に私が働く会社が外資系企業という背景もあるかもしれないですが、女性管理職の割合が現在約50%なので、女性がキャリアを築ける土台があることも感じています。

ライフステージ(結婚・出産)に左右されない理想のキャリアが築ける3つの理由

では、シンガポールではなぜ女性がライフステージが変化しても継続して就業でき、さらにキャリアを築いていけるのでしょうか。私は以下の3つの理由が大きく影響していると思います。

①短い産休・育休期間
②職場の理解
③ヘルパーの活用

シンガポールの法定産休(Maternity Leave)は16週と決められています。産休は出産予定日の4週間前から取得可能で、最遅では 出生日まで 開始可能です。育休は 6週間の共有育休 が導入され(2025年4月より)、2026年4月以降は 10週間 に拡大予定です。

シンガポールは産休と育休合計で22週間、約5か月半の取得が可能です。(2025年時点)

給料は最初の8週間分は勤務先負担、その後8週間分を政府が補助(上限あり)の支払いがあります。

[注意]シンガポールの法定産休・育休はシンガポール国民を基準にしています。シンガポール転職をする日本人の方は同様の恩恵を受けられるか、企業への確認が必要となります。ちなみに私の働く会社は国籍を問わず、産休期間とお給料はシンガポールの法定と同様の恩恵を受けることができます。

対して日本は産休は出産予定日の6週間前から取得でき、出産翌日から8週間(56日)で終了します。多くの方はその後、育休を継続して取得するため、子どもが1歳になる誕生日の前日まで取得されるかと思います。

そのため日本は産休と育休合計で約1年の取得が可能です。給料は健康保険から約67%(2/3)の出産手当金が支給されます。

このように日本とシンガポールでは産休・育休期間に大きな違いがあります。シンガポールでは有給を使用しても最長半年で職場復帰しますが、日本では約1年後です。

シンガポールの育休は産休後に連続して取得する必要はないのと、育休が導入されたのが最近ということもあるので、多くの女性は産休入りから約4か月で職場復帰される方が多いです。

私はこの産休・育休による職場からの離脱期間の違いが、日本とシンガポールの女性のキャリア形成に大きく影響していると思います。

シンガポールでは産休・育休取得後、職場復帰をする場合、多くの場合は同じポジション(同じ仕事)に戻ってきます。これは産休・育休による離脱期間が4か月(最長5.5か月)という短期間であるため、空いたポジションの仕事をインターンや契約社員を雇って穴埋めをしたり、マネジメントのポジションであれば、一時的に産休・育休を取得する方の上司がカバーをしたりなどして、産休・育休による異動を避ける傾向があります。

実際に今現在、私の部署で産休に入っている方がいますが、このタイミングを学びの機会と捉え、部署内全員に仕事を再分配して、特定の人に仕事量が偏らないようにして回しています。仕事量は増えますが、いかに優先順位をつけ、効率よく仕事をするかを考える良い機会となっています。

そのため、産休・育休を取得する女性はそのことをきっかけに異動などがないため、職場復帰後、就業を続けることが可能になり、キャリアの継続も可能です。

(注意:もちろん企業やポジションによっては例外もあると思います)

一方、日本の場合、産休・育休に入られる方は多くの場合、約1年職場から離脱するため、職場復帰後のポジションの確約はされていないことが多いと思います。それは1年も離脱する間、産休・育休を取得する方のポジションを一時的補填で賄うことが難しかったり、部署内で仕事を分配・負担を1年間も継続する難しさがあるからかと思います。そのため、産休・育休に入る場合、その方のポジションに代わりの人が就任するということが起きます。

そのため、産休・育休後にあてがわれたポジションが自分のキャリア形成の礎にならない仕事だった場合、キャリアの見つめ直し、または再スタートということが起こりえます。

このようにシンガポールの短い産休・育休が女性の労働参加率と管理職に占める女性の割合の多さに関係していると思います。

産休・育休の職場復帰後、働く女性には多くの問題があります。せっかく職場復帰しても、保育園に預けた子供が病気になったり、けがをしたりなどで保育園から急な呼び出しがあることがあり、その度に仕事を中断して子供の世話をする必要があります。

このような場合、日本では今でも職場の理解が得られず、急な子供の問題に肩身の狭い思いをする女性がいるということも聞きますし、実際に私の友人も職場復帰後に苦労をしている子がいます。しかし、シンガポールでは多くの場合、職場での理解を得られ、家庭と仕事のバランスを取ることが可能な場合が多いと思います。

シンガポールの国土が狭いということも影響しているかと思いますが、職場から保育園まで子供を迎えに行き、家に帰るまで1時間以内で移動でき、仕事を中断しても1時間程度であったり、フレックスタイムを導入している会社であれば、家族に関わる用事であれば、事前申請をしていなくても急遽フレックスタイムで働き、通常の仕事時間外に仕事をすることが可能な場合もあります。(もちろん、自由度が少ない仕事もあるので、全ての職場・仕事に当てはまることではありません。)

会社の文化や職場にもよりますが、シンガポールは女性の労働参加率と管理職に占める女性の割合が多いため、多くの女性が産休・育休取得経験者、そして子育て経験者であることが多く、さらにその方々が管理職にいるため、子育て世代の共働き夫婦への理解がある職場が日本より多いと感じます。

もし、仕事も家庭も両立させるのであれば、日本よりもシンガポールのほうが両立が可能なのではないかと思うのは私だけでしょうか・・・。

シンガポールの共働き夫婦が仕事も家庭も両立できている大きな理由の一つがヘルパーの活用かと思います。

シンガポールにはヘルパー(外国人家事援助者)制度あり、住み込みで家事・育児補助などをしてくれる方を雇うことが出来ます。いろいろ細かい制限や条件はありますが、契約後は月SGD500~700(約6万円から8万円)で雇うことが出来ます。

多くのシンガポールの共働き家庭はヘルパーさんがいて、その方に家事をお願いすることで、家族の時間や休息の時間を十分に取ることができます。

シンガポール人でないと、お手頃価格での住み込みのヘルパーさんを雇うことはできないのですが、住み込みのヘルパーさんを雇っていないご家庭では、家事代行サービスの方に1週間に一回来てもらう、またはベビーシッターさんに来てもらって子供の世話をしてもらう間に仕事や家事をしているご家庭もあるようです。シンガポールの共働き夫婦は上手に家族の時間を確保するようにしているようです。

私たち夫婦はまだヘルパーさんを雇ってはいないですが、仕事が忙しいときなど、家事代行サービスを活用しようか検討しています。

以上、ライフステージ(結婚・出産)に左右されない理想のキャリアが築ける3つの理由でした。

この内容が少しでも女性の皆さんの海外転職の際に参考になったら嬉しいです。また、海外転職、シンガポール転職に興味を持ってもらえたら嬉しいです。

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