【シンガポール転職】4年間のシンガポール就業実績で感じる、転職を狙うベストな時期
何事においてもベストな時期というのは存在します。
日本での初就職は大学卒業してすぐの新卒が一番良い時期とされています。そして、新卒採用は大学を卒業する1年以上前から始まり、大学生に内定を出すのは大学を卒業する前が多いかと思います。
時期を逃しての就職も、もちろんできますがオフピークの活動は多くの企業が新卒の募集をかけていなかったり、人事担当者が新卒採用以外に注力しているなどと、ピーク時とは異なる難しさが存在します。
転職においても同じで、転職に適した時期が存在します。日本では年度末や上半期の終わりなど、企業内での人事異動のタイミングやボーナス支給後などに活発になる傾向があります。
では、シンガポール転職はどうでしょうか。シンガポールでも転職市場が活発になる時期があります。限られた時間での転職活動が必要となる中、転職市場が最も活発になる時期を把握して転職活動を最大限効率化していきましょう。
シンガポールの転職市場が活発になる時期
シンガポールでは大きく見ると例年上半期が転職市場が活発になり、特に第一四半期が最も活発です。
理由としては、シンガポール独自の賞与制度(AWS)と企業の資本や経営母体の出身国・地域の季節行事のタイミングが大きく関わってきています。
賞与は多くの場合、12月31日時点で在籍していることが条件なので、転職を考える人は1月1日以降に転職先に所属することを希望します。
転職希望者としては、11月や12月の終わりから転職活動を行いたいものの、12月はクリスマスシーズンなの欧米系企業が多いシンガポールでは12月は長期休暇(2週間~1か月)を取得している人が多く、休暇でなくても、母国に帰省してリモートで仕事をしている場合も多いです。そのため、人事や人事権のある人がシンガポールにいないため、1月まで採用がフリーズしている場合があります。
シンガポールのAWS(Annual Wage Supplement)とは
シンガポールにおけるAWS(Annual Wage Supplement)は、年末に支給される「13カ月目の給与」とも呼ばれる賞与制度です。一般的に基本給1カ月分が支給されますが、法的義務はなく、企業の方針や雇用契約に基づいて支給されます 1 2。支給対象は通常、試用期間を終えた正社員で、12月31日時点で在籍していることが条件です。途中入社者には按分支給されることもあります。AWSは従業員の定着やモチベーション向上を目的としています。
年収交渉の際にはAWSを含むかどうか必ず確認が必要です。AWSがある場合、年収にAWSが含まれることがあるので、月収を計算する際は年収を13か月で割ることを忘れないようにしましょう。
企業の経営母体の地域・国別ベストな転職活動時期
日系企業転職のベストな時期
シンガポールにある日系企業に転職を希望する場合、4月から所属できるように1月や2月に転職活動をすることをおすすめします。理由としては、日本企業の多くは年度末が3月でそれに併せての人事異動、組織改編を行うことが多いです。そのため、それらの変更に伴って新設された部署の募集や既存の部署の所属人数の変更などがあるため、4月採用に的を絞って動いている人事担当者が多いです。
欧米系企業転職のベストな時期
シンガポールにある欧米系企業に転職を希望する場合、12月を避けて1月や2月以降に転職活動をすることをおすすめします。理由としては、前述のようにクリスマスシーズン12月は学校(インターナショナルスクール)もお休みになり、多くの人が長期休暇(2週間~1か月)を取得しています。私は欧州系の外資系企業に勤めているため、12月はほぼ本社が開店休業状態なため、仕事量が少ないです。多くの議題は休み明けまで、議論されることをない、結論を出すことが延長されるので、人事異動、組織改編など重要なことが決まらないことが多々あります。
中国系企業転職のベストな時期
シンガポールにある欧米系企業に転職を希望する場合、2月後半から転職活動をすることをおすすめします。理由としては中国の新年にあたる旧正月は早いと1月の後半、遅いと2月の2週目からスタートし、約2週間長期休暇をとる方が多いです。中華系の人口が多いシンガポールでも旧正月は2~3日祝日になり、お祝いムードになります。多くの人が休みをとるので、組織改編や人事異動などの動きは旧正月明けからという企業が多いです。
世界からシンガポールへ海外転職の動き
シンガポールは国際的なビジネスハブであり、優秀な人材が集まるため、競争が激しいです。前述のように12月から2月前半までは主要な国や地域のお休みが重なるため、一般的にシンガポールの転職市場は2月後半から活発になる傾向があります。
企業側も転職者側も双方、タイミングが合う2月後半は転職活動をしたい人には逃せない、ベストな時期です。
最近では日本でも転職について前向きな意見を持つ人が増えましたが、海外は転職文化であり、シンガポールも同様です。少しでもお給料が高い仕事や条件があえば、躊躇なく転職を繰り返します。これは転職することにより、給料の上昇とキャリアアップが実現する土台が出来上がっているからです。そのためシンガポール国内のみならず、アジア域内そして世界からより良い条件を求めてシンガポールに転職してくる人が多くいるので、転職市場は本当に活発です。
2月後半はシンガポールの転職活動が活発になる時期ですが、必ずしも希望する仕事や条件が合う仕事が見つかるとは限りません。タイミングを逃したからといって落胆せず、常に転職市場に目を向けて、条件が合う仕事に応募してください。